1億3000万本 −年間の傘販売本数、日本が世界一 その最高峰が縁結というビニール傘だ

日本における傘の年間販売数は約1億3000万本で世界一。このうち、過半数をビニール傘が占め、そのほとんどが中国製だ。そんなアウェーな環境でもビニール傘を作り続けるメーカーがある。ホワイトローズ。1958年、日本で初めてビニール傘を作った会社である。社長の須藤宰氏は話す。「当時、『日本中をビニール傘で埋め尽くしたい』という夢をもっていたのですが、ビニール傘が主流になれば、繊維メーカーや傘職人がいらなくなりますから、業界から総スカンでした」。

それが、60年代後半からのミニスカートブームに乗って若い女性向けに開発したミニビニール傘でブレーク。国内に競合が50社もできるほどだった。

ところが80年代から中国や台湾で安い傘が作られるようになり、大打撃を受けた。日本のメーカーが戦線離脱するなか、ビニール傘を細々と作り続けてきた。


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1人当たりの傘の購入数No.1は東京都
波瀾万丈の傘メーカー。選挙の際に候補者が使う丈夫で透明な傘「カテール」(5400円)で有名になった。それでも売れる本数は1回の選挙で600本程度。やっと光が見えてきたのは、つい最近のことだという。美智子皇后陛下用にとの宮内庁からの依頼に、傘作りの全技術を搭載したビニール傘を作り、話題に。「縁結(えんゆう)」(8640円)という名前で一般向けにも販売したところ、欠品するほどの人気ぶりなのだ。

「この60年、ヒットを出しては追随されて窮地に陥ってきました。今はできるだけ数を売らないこと、そしてマネができないほど面倒な作りにすることが秘訣だと思っています」

徳川幕府御用達の由緒ある傘問屋 平成22年宮内庁献上品

平成22年度宮内庁依頼品のクリア傘『縁結』エンユウをご紹介。
同年の園遊会にて初めてご使用頂き、雨の日を華やかに演出したことは、ニュースなどでご存じの通りです。
制作は昭和27年にビニール傘を世界最初に開発して以来、半世紀以上に渡り、利用者優先のもの作りにこだわってきたホワイトローズ(株)。

濡れてもべたつかない使い易さと壊れにくい丈夫なつくりが評価されています。
ご自身はもちろん、大切な方への贈り物としても自信を持ってお勧めできる逸品に仕上がりました。
新開発「逆止弁」(特許)から、内側の風が吹き抜け抵抗を和らげ、持ち手の負担を減少します。
雨の日のお出かけにも良いご縁が結ばれます様、献上申し上げます。

■カラー:
 シャンパンゴールド
 ピンク
 グレー

■材質:カバー/ポリオレフィン多層フィルム、バイヤステープ/ポリエステル100%、骨/親受骨/FPR、中棒/アルミ、手元/ABS樹脂(ポリエステル生地巻きつけ)+金属製口金具

■サイズ:径90cm、親骨58cm

■重量:405g

■生産国:日本製